お中元は、夏に日頃の感謝を伝える日本ならではの大切な習慣です。
贈り物だけでも十分気持ちは伝わりますが、ひとことメッセージを添えると相手の心により深く届きます。
とはいえ「どんな言葉を書けばいいのだろう」「上司や取引先に失礼のない表現は?」と迷う方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、家族や友人といった親しい相手から、上司や取引先などのビジネスシーンまで使えるお中元メッセージの例文をたっぷりご紹介します。
短い一言から、そのまま使えるフルバージョン例文まで揃えているので、「すぐに書きたい」「丁寧に伝えたい」どちらのニーズにも対応可能です。
基本マナーや避けたい表現も解説しているので、初めての方でも安心して書けます。
ぜひこの記事を参考に、あなたらしい言葉で感謝の気持ちを添えてみてください。
お中元に添えるメッセージの基本マナー
お中元にメッセージを添えるときには、基本的なルールを知っておくと安心です。
形式にとらわれすぎず、相手との関係に合った言葉を選ぶことが大切です。
ここでは、贈り物に添える言葉の土台となる考え方を整理していきましょう。
お中元の意味と贈るタイミング
お中元とは、日頃の感謝を伝えるために夏に贈る挨拶の習慣です。
関東では7月初旬から15日ごろまで、関西では8月15日ごろまでが一般的な時期とされています。
地域によって時期が異なるので、相手の住む場所に合わせて贈るのが基本です。
地域 | 贈る時期 |
---|---|
関東 | 7月初旬〜15日ごろ |
関西 | 8月初旬〜15日ごろ |
メッセージを添えるメリット
贈り物だけを渡すよりも、一言の言葉を添えることで気持ちがより伝わります。
「ありがとう」「これからもよろしくお願いします」といった短い表現でも、印象は大きく変わります。
贈り物だけに頼らず、言葉で気持ちを伝えることが信頼関係を深めるカギです。
自然な流れで書ける基本構成
お中元のメッセージは、型に沿って書けば誰でも自然にまとまります。
おすすめは以下の流れです。
ステップ | 内容 |
---|---|
① | 季節の挨拶(暑さを気づかう言葉など) |
② | 感謝の気持ち |
③ | 贈り物を送ったことの案内 |
④ | 相手の体調や暮らしを思いやる言葉 |
この流れに沿うと、どんな相手にも失礼のない文章になります。
避けたい表現とNGワード
せっかくの気持ちが伝わりにくくなる表現は避けましょう。
- 暗いイメージを与える言葉(ネガティブな単語や不吉な連想を含むもの)
- 相手に負担を感じさせる強い依頼口調
- 長すぎる文章で読みづらいもの
「簡潔で温かみのある表現」を意識すると、安心して受け取ってもらえます。
家族や親戚に贈るメッセージ例文
家族や親戚に贈るお中元メッセージは、形式ばらずに親しみを込めた言葉が似合います。
普段なかなか伝えられない感謝の気持ちを、さりげなく表現するチャンスです。
ここでは、短い一言の例文と、そのまま使えるフルバージョン例文を紹介します。
両親へのメッセージ(短文+フル例文)
短文例
- 「いつもありがとう。体に気をつけて過ごしてね。」
- 「感謝を込めて贈ります。暑い夏も元気に過ごしてください。」
フル例文
拝啓
暑さが厳しい季節となりましたが、お元気でお過ごしでしょうか。
いつも温かく支えていただき、本当にありがとうございます。
日頃の感謝の気持ちを込めて、お中元をお届けいたします。
ささやかではございますが、楽しんでいただけましたら幸いです。
これからもどうぞお体を大切にお過ごしください。
敬具
相手 | おすすめ表現 |
---|---|
父 | 「お父さん、いつもありがとう」 |
母 | 「お母さん、体に気をつけてね」 |
祖父母・親戚へのメッセージ(短文+フル例文)
短文例
- 「いつも見守ってくださり感謝しています。」
- 「お元気で楽しい夏をお過ごしください。」
フル例文
拝啓
蝉の声がにぎやかな季節となりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
日頃より温かく見守ってくださり、心より感謝申し上げます。
このたび、気持ちばかりではございますがお中元をお届けいたしました。
皆さまで和やかな時間を過ごしていただけましたら嬉しく存じます。
暑さが続きますので、どうぞご自愛くださいませ。
敬具
家族向けカジュアル表現(短文+フル例文)
短文例
- 「みんなで楽しんでもらえたら嬉しいです。」
- 「ちょっとした贈り物です。よかったら使ってね。」
フル例文
前略
いつも本当にありがとう。
夏のご挨拶として、お中元を送ります。
大したものではないけれど、楽しんでもらえたら嬉しいです。
また顔を見せに行きますね。
草々
家族や親戚には、気取らずあたたかみのある言葉を選ぶのがポイントです。
友人・知人に贈るカジュアルなメッセージ例文
友人や知人に贈るお中元メッセージは、堅苦しくなくても大丈夫です。
ちょっとした近況や気軽な言葉を添えるだけで、ぐっと親しみやすさが増します。
ここでは、短文とそのまま使えるフルバージョン例文を紹介します。
仲の良い友人向け(短文+フル例文)
短文例
- 「いつもありがとう。暑い夏を一緒に楽しもう。」
- 「ささやかだけど、よかったら受け取ってね。」
フル例文
拝啓
毎日暑い日が続きますが、元気にしていますか。
日頃の感謝を込めて、ささやかなお中元を贈ります。
大したものではないけれど、気に入ってもらえたら嬉しいです。
また会えるのを楽しみにしています。
敬具
おすすめの一言 | 効果 |
---|---|
「またゆっくり話そう」 | 再会を楽しみにしている気持ちが伝わる |
「元気で過ごしてね」 | 気遣いが自然に表現できる |
知人向けの少し丁寧な例文(短文+フル例文)
短文例
- 「お世話になっている感謝の気持ちです。」
- 「どうぞご笑納ください。」
フル例文
拝啓
夏本番の暑さとなってまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
日頃より温かいお付き合いをいただき、誠にありがとうございます。
感謝の気持ちを込めて、お中元をお贈りいたします。
ささやかな品ではございますが、お楽しみいただけましたら幸いです。
今後ともよろしくお願いいたします。
敬具
距離を縮めるフランクな一言(短文+フル例文)
短文例
- 「暑いけど元気?少しでも楽しんでもらえたら嬉しい。」
- 「これからも仲良くしてね。」
フル例文
前略
いつもありがとう。
ちょっとしたお礼として、お中元を贈ります。
これからも変わらず仲良くしてくれたら嬉しいです。
また会えるのを楽しみにしています。
草々
友人や知人には「ありがとう」と「また会おうね」のひとことを添えると、距離感がぐっと近づきます。
上司や目上の方に贈るメッセージ例文
上司や目上の方に贈るお中元メッセージは、礼儀を守りつつも温かみを添えることが大切です。
形式を意識しながらも、心からの感謝が伝わる表現を選びましょう。
ここでは短文例と、そのまま使えるフルバージョン例文を紹介します。
職場の上司向け(短文+フル例文)
短文例
- 「日頃のご指導に感謝申し上げます。」
- 「暑い折、ご自愛くださいませ。」
フル例文
拝啓
盛夏の候、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
日頃より温かいご指導を賜り、心より感謝しております。
その気持ちを込めまして、ささやかではございますがお中元をお贈りいたします。
どうぞご笑納くださいませ。
暑さが続きますが、くれぐれもお体を大切にお過ごしください。
敬具
ポイント | 意図 |
---|---|
形式に沿った挨拶 | 礼儀を守り信頼感を伝える |
「ご笑納ください」 | 謙虚さを表す定番フレーズ |
恩師や年長者への例文(短文+フル例文)
短文例
- 「日頃のご厚情に心より感謝申し上げます。」
- 「どうぞ健やかにお過ごしくださいませ。」
フル例文
謹啓
盛夏の折、ますますご壮健のこととお慶び申し上げます。
平素より格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。
感謝の気持ちを込め、ささやかなお中元をお贈りいたします。
ご笑納いただけましたら幸いに存じます。
今後とも変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます。
謹白
丁寧さと気遣いを両立させた表現(短文+フル例文)
短文例
- 「平素より大変お世話になっております。」
- 「暑さ厳しき折、くれぐれもご自愛くださいませ。」
フル例文
拝啓
暑中お見舞い申し上げます。
日頃より格別のご指導を賜り、心より御礼申し上げます。
感謝の意を込めまして、お中元をお届けいたしました。
ささやかではございますが、ご笑納いただけましたら幸いです。
引き続き変わらぬご指導のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具
上司や目上の方には「礼儀+気遣い」を意識した文章が好印象につながります。
取引先・顧客に贈るビジネス向けメッセージ例文
取引先や顧客に贈るお中元メッセージは、会社の信頼にも関わる大切なものです。
形式をきちんと守りつつ、相手への感謝と今後の関係を願う気持ちを盛り込むと良いでしょう。
ここでは、短文とフルバージョンの例文を紹介します。
取引先企業への例文(短文+フル例文)
短文例
- 「平素より格別のご厚情を賜り、心より御礼申し上げます。」
- 「ささやかではございますが、お納めいただければ幸いです。」
フル例文
謹啓
盛夏の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。
日頃の感謝のしるしといたしまして、心ばかりのお中元をお届けいたします。
ご笑納いただけましたら幸いに存じます。
今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。
謹白
表現 | 意味 |
---|---|
「ご清栄」 | 相手の会社がますます発展していることを祝う言葉 |
「ご笑納」 | つまらないものですが受け取ってください、という謙遜表現 |
顧客向けの感謝を込めた例文(短文+フル例文)
短文例
- 「日頃のご愛顧に心より感謝申し上げます。」
- 「ささやかではございますが、お楽しみいただけましたら幸いです。」
フル例文
拝啓
猛暑の折、ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
平素より格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。
感謝の気持ちを込めまして、ささやかなお中元をお届けいたします。
これからも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。
敬具
ビジネスメールで使える件名+文例集
近年は、メールでお中元の挨拶をする企業も増えています。
件名と本文例をまとめてご紹介します。
件名例 | 本文例 |
---|---|
【お中元のご挨拶】株式会社〇〇様へ | 平素より格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。本日、ささやかではございますが、お中元の品をお届けいたしました。ご査収のほどよろしくお願い申し上げます。 |
【ご挨拶】日頃の感謝を込めて | いつもお引き立ていただきありがとうございます。感謝の気持ちを込めて、お中元をお送りいたしました。暑さが続きますので、どうぞご自愛くださいませ。 |
ビジネスでは「感謝+謙虚さ+今後の関係性」を盛り込むことが信頼感につながります。
お中元メッセージを書くときの実用アドバイス
お中元に添えるメッセージは、例文をそのまま使うのも良いですが、少し工夫することでぐっと印象が良くなります。
ここでは、すぐに実践できるアドバイスをまとめました。
関係性別チェックリスト
相手との関係性によって、選ぶ言葉のトーンを変えることが大切です。
相手 | おすすめトーン | 注意点 |
---|---|---|
家族・親戚 | 親しみやすく温かい | 堅苦しすぎないように |
友人・知人 | カジュアルで気軽 | くだけすぎないよう配慮 |
上司・目上 | 丁寧で敬意を示す | 形式を守ること |
取引先・顧客 | フォーマルで端的 | 謙虚さを忘れない |
季節の挨拶に使える便利フレーズ集
季節感を出す表現を加えると、より自然で品のある文章になります。
- 「暑さ厳しき折、いかがお過ごしでしょうか」
- 「盛夏の候、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます」
- 「暑中お見舞い申し上げます」
ただし同じ表現ばかり使うと形式的になりすぎるため、バリエーションを持たせるのがおすすめです。
手紙・カード・メールの使い分け方
お中元のメッセージは、渡し方によって形式を調整するとスマートです。
形式 | 適したシーン | 特徴 |
---|---|---|
手紙 | 上司・取引先・恩師など | 最も丁寧な印象を与える |
カード | 家族・友人・知人 | 気軽で温かみを表現できる |
メール | ビジネスシーン | 迅速で実用的だが、簡潔さが必要 |
形式を選ぶときは「相手との関係性」と「贈る状況」に合わせるのがベストです。
まとめ|感謝を伝えるお中元メッセージで関係を深めよう
お中元に添えるメッセージは、贈り物そのもの以上に相手の心に残ることがあります。
大切なのは、形式を守りつつも自分の気持ちを素直に表現することです。
家族や友人には気取らない言葉を、上司や取引先には礼儀を大切にした表現を選ぶことで、どんな相手にも喜んでもらえるでしょう。
シーン | ポイント |
---|---|
家族・親戚 | やわらかい表現で気持ちを伝える |
友人・知人 | カジュアルに、近況を添えると効果的 |
上司・目上 | 形式に沿った丁寧な文章で敬意を示す |
取引先・顧客 | 簡潔に、感謝と今後の関係を示す |
お中元は、普段は伝えにくい「ありがとう」を届ける絶好の機会です。
例文を参考にしつつ、自分らしいひとことを加えると、より心に響くメッセージになります。
今年のお中元には、贈り物と一緒にあなたの感謝の気持ちを添えてみてください。
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